新しいブック
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19●ちまたの風ひ孫が成長したころ 2月末、娘夫婦と車で明石市に住む孫娘宅を訪ねた。岡山からの高速道は長いトンネルばかりで、車窓の景色を楽しむ余裕などなかった。 昨年10月末に誕生したひ孫は孫娘の次女。母乳が十分なのでぐんぐん大きくなっており、私どもの顔を見てニッコリし、すぐかわいい小さなお手々を口に。私が「こんにちは、瑠菜ちゃん」と顔を近づけると、手を上に。赤ちゃんの成長は早いものだ。 この小さな体に、生きるために必要なすべての臓器が調っているのだと思うと、不思議な感情と神への感謝の念もわいてきた。 娘と孫娘が昼食の用意を始めたので、私たちは小学1年のひ孫を囲んで話し合っていた。楽しそうに学校の様子など話すひ孫を見て、私は1月12日、NHKテレビで放送された「山田洋次瀬戸内を語る」を思い出した。 現在の日本の核家族化による親子、きょうだい、親戚などの希薄化する関係、いずれ老いてゆく人間の介護を外国の方々にお願いすること、晩婚化により外国人の卵子提供を受けつつある社会とは…。このひ孫たちが成人するころ、日本はどんな国になっているのだろうかと考えさせられた。 平成25年4月4日
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