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23●ちまた平和を考える8月 玉音放送後に大騒ぎ 昭和20年8月15日早朝、ラジオで「今日正午、重大放送があります。国民みんなぜひラジオを聴くように」との放送があった。  当時、私は茶屋町農業会に勤めていて、正午が近づくと組合長がラジオのスイッチを入れた。職員は弁当を食べながら、あの玉音放送を聴いたのであるが、雑音が入りよく聞き取れなかった。放送が終わっても、終戦に至ったアナウンスも言い訳もなかった。  職場では「戦争に負けたということか…」「神国日本の勝利を信じて皇国のために一致団結せよ」とか言い争っていると、農家の人たちが次々と集まって来た。個人の家には電話などない時代。組合長が役場に電話すると「はっきりは分からないが、戦争に負けたらしい」ということで、集まった人たちは大騒ぎとなったのである。  あれから66年の月日が流れ、平和で豊かな世となった。戦争を知る人も年々減少している。しかし、戦場や空襲で多数の尊い命を奪った戦争の真相は後世に伝えていくべきと思う。平成23年8月3日

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