新しいブック
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39 すると職員の一人が役場に電話をすると「戦争に負けたらしい。」との返事で騒然となり「大事な息子を戦争に行かされ、これから先どうしてくれるんなら……。」と、大声で怒る老人もあって大変であった。 帰宅してからも玉音放送の話ばかりで、十八年に戦地へ行ったきり何の音沙汰も無い兄の心配を家族で話し合って夜が更けていった。

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