新しいブック
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41 入会した以上は完結するまで頑張らねばと決心したものの文章として続けることは容易なことではなく何度挫折しそうになったことか、その度に先生の励ましを頂いたのである。 また、そうした時、私の頭に浮かぶのは四十三歳で昭和十五年に母と死別した父の格言であった。父は日常生活に行き詰った時には常に平田篤胤の「なせば成るなさねばならぬ何事も成らぬは人のなさぬなりけり。」をモットーとして生き抜いた姿を思い出すのだった。 私が現在までに多くの試練を乗り越えて奮起再生することができたのもこの父の戒めがあった故と思えるのである。それに加え神が授けた試練により多くの職場体験もすることができ、仕事上、人間関係の難かしさ、人情なくしては人間として生きてゆけない等々心の修養もできたことは何よりの幸せと思えるのである。 人生は長いようでも過ぎてみれば何と短い一生であろうか、私は自分史の会で夫々の友の歩んでこられた道程を知り得たことは私の今後の余生にも大きくプラスになるであろう。 そして私の自分史「山あり谷あり七十八年」のタイトルで秘話をも隠すことなく書き終えるのに四年余の歳月を要したが、私の自分史として発刊された時の喜びは筆舌に尽し難く涙が溢れるばかりだった。 この本の発刊に当り真からご指導とご支援下さいました佐藤先生に心より御礼申し上げます。 現在は「おばあさんの本」として読んでいる子や孫たちも自分達が年齢を重ねた時には私たちが辿った戦争時代の青春も心に浸みて違った感覚も湧くのではと思うのである。

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