新しいブック
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63るのである。 又、現在は平和が持続する世の中にあって、人情が希薄になり、人の命が軽んじられ、親が子を殺したり、子が親兄弟を殺したり、年老いた親の所在が分からない等、人の道を外れているように思えるのである。 こうした事件が起きるのも、幼い時からの教育に問題があるのではないでしょうか。 又、結婚してもすぐ離婚し、片親だけでの子育て、これにも問題があり、こうした人達が多くなることは、未来の日本の危険信号と思えるのですが。現在は国策として「子ども手当」や「寡婦手当」等の支給制度がある故に、簡単に離婚してもこうした政策に甘えられるのだと思えます。 私どもが戦後如何に苦労しながら自分達の子どもは自分の手でと子どもを育ててきたのである故、現在の「手当支給制度」には老人としてはあまり賛成できない制度である。 私たちは昭和十二年七月、日支事変に突入してからは、もっぱら軍国主義的教育を受け、太平洋戦争となってからは女学校では英語の本は捨てさせられ、昭和十八年戦争が本格化してからは、学業は捨てて軍需工場で月月火水木金金の日程で昼夜二交代での十時間労働をさせられたが、愛国心に燃え働いたのである。 これも幼い時からの教育に依り、愛国心と言うものが深く心の底にあった故と思えるのである。

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