新しいブック
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67 そして新築の事は夫の設計で使い勝手の良い立派な家に仕上がり、舅は他界していたが姑も子供達もとても喜んでくれたのです。そして昭和五十一年三月、姑はこの家から黄泉の国へ旅立っていきました。 昭和五十年代に入り、高度経済成長期に入ると、近所の古い家でも次々と建て替えされるようになり、夫が「お前の言うことを聞いてよかったのう…」と涙まじりに。 その夫も平成八年七月二十日天国へ召されて急逝しました。 娘は昭和四十八年嫁ぎ、息子は東京で大学を終え、倉敷の女性と結婚し男児二人に恵まれ、幸せな家庭を築いてくれています。 現代社会の変革と核家族化で、私は自分達が建てたこの家で独り暮らしをしていますが満足で、日曜日には娘が毎週来てくれて幸せな老後を過ごしていますが健康には留意して、子供達に迷惑をなるべくかけないようにしたいと思っています。 そしてでき得ればこの家から夫のいる黄泉の国へ旅立ちたいと思っています。挿絵:立嶋 晃

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